Gobekli Tepe…トルコ語で『太鼓腹の丘』
これまで(2026.05.30)全くのノーマークでしたよ。
メソポタミア文明よりももっと古い、
いえいえもっともっと気が遠くなるほど昔の巨石文化。
それは今から12000年程前の、
そしてそこから1500年程続きます。
初めて聞いた時は
『また何かの都市伝説か何かかしら?』
と疑ったのです。
2018年には世界文化遺産にも登録されているのですよね。
本当に失礼しました。
歴史で初めて記録されたのは1963年。
しかし、中世イスラム教徒の墓か、近年の何かに過ぎないとされ大した発掘もされず放置。
転機は1994年、地元の農夫が奇妙なレリーフを発見したと聞きつけたドイツの考古学者クラウス•シュミット博士によって発掘が始まり、
今もプロジェクトは続いています。
ここは文明ではなくて文化。
農耕が始まる前の狩猟採取の時代に、
巨石を切り出して装飾を施し立て並べた。
権力者がいたわけではなさそう。
土器は作られていない。
文字も無い。
その中で何世代にもわたって意思疎通を図り、
造っては埋めるを繰り返して、1500年の間に20基ものサークルが造られていく。
これまでの考古学的常識を覆す発見。
肥沃な大地に人が集まり、狩猟採取の時代から、農耕の時代へ。
やがて土地を治める権力者が生まれ、
その統治下で巨大建造物が建てられていく…。
これが私たちが教科書で習った定説ですよね。
でもギョベクリ•テペは違います。
狩猟採取の時代、権力者の強制でなく共通の意志によって巨石建造物が建てられていく。
何世代にもわたって精神は受け継がれ建造されていく。
そして最後もおそらく、自分たちの手によって大量の土砂などで埋められた。
この一連の流れの精神性の高さに私は度肝を抜かれる。
しかししかし、ここまでが少し前までの情報。
サークルの周りの発掘も進んでいますからね。
神殿の周りには定住用の小規模な石造りの居住跡があり、貯水槽、貯蔵庫もあります。
ガゼルやイノシシなどの骨、
ピスタチオやアーモンド、野生の大麦や小麦、
黒曜石などなど、
大量の生活ゴミも出土しています。
そして『埋めた』のではなくて、
土砂崩れで『埋まった』のではないかとの新説も出てきています。
わたしの度肝を抜いた『自ら埋める』という行為があったにせよ、なかったにせよ、
それでも尚絶対的な権力者無しで巨石神殿を建て、守り、失ってもまた建て守り…。
約1500年の間同じ信念を世代を超えて持ち続けることができるこの人たちの精神性の深さはやはり計り知れません。
2026.06.01
三内丸山遺跡
旧石器時代から縄文時代への移行期が、今から12000年程前。
あらっ、ギョベクリ•テペと同じ頃なのですね。
そこから約10000年縄文時代が続きます。
日本で古い遺跡といえば…、
青森県の三内丸山遺跡かしら。
三内丸山遺跡は、今から約5900年〜約4200年前に栄えた、日本最大級の縄文集落跡。
何とこちらもギョベクリ•テペと同様約1500年間、同じ場所で継続して人々が暮らしていました。
あれっ?縄文?定住?
半世紀前、私は歴史の授業では確か、
縄文時代…狩猟採取、移動生活
弥生時代…農耕、定住
と習ったような…。
いけませんね、アップデートしましょう‼︎
【日本の歴史】
旧石器時代…打製石器、狩猟採取、移動生活
縄文時代…土器、磨製石器、自然のサイクルの理解、森の管理、定住(集落)、精神文化の成熟
弥生時代…農耕(稲作)、定住(村)、余剰生産物と格差、戦い
三内丸山遺跡のように、
同じ場所に1500年も集落があり続けることは世界的にも稀なこと。
一体どれほど豊かで平和なところだったのでしょうね。
それは縄文時代全体で言えること。
海、川、平地、山…季節ごとに恵みがあり、リスクの分散も同時にされる。
豊かな恵みは奪い合いのない、平和な時を過ごすことができ、精神性を深める十分な時間を与えることになったのでしょうね。
そうそう、中学生の歴史の教科書で縄文時代の火焔型土器(信濃川流域)を初めて見た時の衝撃。
あの衝撃の正体、私も歳を重ねてじっくり考えられるようになった今なら、少し言葉にできる気がする。
氷河期が終わり気候がより生きやすくなり、
四季により自然の恵みが豊かになり、
定住し、狩猟採取と、森の管理によって
生きるに十分な食糧の確保が叶う。
奪い合うことのない、平和な時代。
内からも外からも襲われることのない余裕は、精神性が目覚めるスイッチ。
集落の皆んなが集まって
収穫した食べ物について話が始まります。
おしゃべりは盛り上がり、歌って、踊って…。
今日の収穫のお礼、
明日もとれますようにとの願い、
来年もとれますようにとずっと先の未来への願い。
食べ物だけでなく、生活のお願いもあるよね。
狩りから怪我なく帰ってこられますように、
お母さんが赤ちゃんを無事産めますように。
自分たちではコントロールできない見えないものへのお願い…祈り…宗教的だね。
土地、海、川、空ぜ〜んぶが、祈りの対象。
どれほどのエネルギーを感じて生活していただろう。
自分(火焔型土器の作者)がバンバン日々感じる自然の、宇宙の、自分たちの願いのエネルギーを形にしたのだろうかな、あの衝撃の火焔型土器。
私は中学生の時『一体どんな人が作ったのだろう』と思ったよ。
そして三内丸山遺跡の高い高い櫓は、
火焔型土器同様、祈りを届けるために集落みんなのエネルギーの結晶だと私は思うよ。
